それは秘密です
その理路整然とした解説に私は心底納得した。

良かった。やっぱり杏ちゃんに相談して。

ひとまず悩み事は一つ解消したもんね。


「で、どうするの?」


杏ちゃんは改めて意思確認して来た。


「六島君に告白するのかしないのか、加東さんの気持ちを受け入れるのか入れないのか」

「……六島君に、思いを伝える」


しばし思案してから、自分自身に言い聞かせるように宣言した。


「そんで加東さんにはお断りの返事をする」
「そう」


杏ちゃんはウム、と頷いた。


「頑張ってね。陰ながら応援してるから」
「はぁ~、でも、何だかちょっと……いや、だいぶ心の準備が必要だな~」


決心はしたものの、ちょいと弱音が吐きたくなって、ため息をつきつつ、今度は椅子の背もたれにグッタリと体を預ける。


「自分の思いを伝えるのも、他人からのそれをお断りするのも、かなりのエネルギーを消費するだろうしね」
「ま、そこは千代子のタイミングで良いんじゃない?」


手にしていたピザを食べ終え、お手々をおしぼりで拭き拭きしながら杏ちゃんは答えた。


「交際をお断りする方をまずは優先した方が良いだろうけど、でも、『じっくり考えて』って言ってくれてるんだから、今日明日すぐに、ってことではないんでしょ?」


そしておしぼりを元の位置に戻し、アイスティーのグラスに手を伸ばしながら続ける。
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