それは秘密です
「相手を極力傷つけないように、だけど思いを受け止められない事はきっぱりと伝えられるように、言葉を厳選しなくちゃいけないんだもんね。多少は待たせても大丈夫だと思うよ」
「うん…」


私は上体を起こしながら神妙に頷いた。


「ありがとね、杏ちゃん」
「ん?」
「ことごとく私のネガティブ思考を蹴散らせてくれて。だいぶ心が軽くなったよ」


あのまま一人で思い悩んでいたら、ますますドツボにはまって行ってしまっただろう。


「お役に立てたんだ?私」
「うん、もちろん。充分過ぎるほどに」
「それは良かった」


ニッと笑いつつ、杏ちゃんは陽気に言葉を繋いだ。


「そんじゃ、話がまとまった所で食事に専念しようよ。次は私、シーフード行っちゃうよー」


そして持っていたグラスをテーブルに置くと、言葉通り当該ピザに手を着ける。

マルゲリータの他にシーフードと、キノコとチキンと根菜のピザを注文し、それをシェアしているのだ。

組み合わせはその日の気分で変わるけど、毎回必ず三種類はオーダーする。

せっかくここに来たからにはそれくらい食べないと物足りないしもったいない。

そこにミニサラダ、お代わり自由のソフトドリンクセットを付けると丁度いい感じ。


「ん~、うまー。ホント、ここはどれを食べてもハズレがないよねー」


心底幸せそうにピザを頬張る杏ちゃんが可愛らしくて微笑ましくて。
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