それは秘密です
「そういう威風堂々、唯我独尊、自信過剰な本音がだだもれの言動や立ち居振舞いが無性に鼻につくんじゃないですかね?」


小バカにした態度を取り続けるのも飽きたので、俺はそれまでとは一転、冷めた口調で切り返した。


「自分から好きになった相手が『俺様』だと気付いたのなら、アバタもエクボの法則で『なんて頼りがいのある人なの!』っていう思考になるかもしれないけど、まだそういう感情を持つ前にその事実に気付いてしまったとしたら、ドン引いたりウザく感じたりその勘違いっぷりに笑いを禁じ得なかったりするんじゃないでしょうか?女性って自分が好意を持っていない相手には容赦なくシビアですから」


加東は無言で俺の話に耳を傾けていた。


「何だかんだいって『真面目で謙虚で寡黙だけれど、やる時はやる。ビシッと決める』っていう、侍スピリッツを持った日本男子に大和撫子は惹かれてしまうんですよ。DNAにそうプログラミングされているんです」
「つまりお前はそういった演技をしているという訳だ」
「は?」
「その草食系で優男風な見かけとは裏腹に、とんでもない腹黒さが垣間見えるもんな。今回のことでつくづく思い知らされたよ」
「ちょっと、本人の目の前で堂々と悪口言うのやめてもらえます?」


鼻で笑ってやったが加東は全然堪えず、鋭い眼光で俺を凝視していた。
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