マシンガン LOVE ~この想い、あなたに届け!~
スピンオフ・望月 龍司編
 ◇◇ スピンオフ・望月 龍司(りゅうじ)編 ◇◇


「ねぇ、私って色気が足りない?」

 行為が終わったベッドの上で、少しまどろみそうになったころ。
 俺の腕の中でふと、風花(ふうか)がそんなセリフをつぶやいた。

「足りているよ。色気のない女にこんなふうにしないだろう?」
「だって……色気が足りないって言われたの!」
「例のカメラマンにか?」

 幾分憤慨する風花に対し、俺は天井を見つめたまま淡々と言い放った。
 またあの男の話かよ、と言わんばかりに。

「後輩の子のほうが、よほど色気があるんだって」

 風花はモデルをしている。
 と言っても、有名ではなく、雑誌でブレイクした読者モデルのようなものだ。

 先ほど話題に出てきたのは、最近しょっちゅう仕事で一緒になるというカメラマンの男。
 その男にダメ出しされるたびに、俺はこうして呼び出されている。

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