マシンガン LOVE ~この想い、あなたに届け!~
2.男心を勉強せねば
***

 それは突然の出来事だった。

 「きもとーー!!」

 会議室へ向かう途中、後ろから私を呼ぶ声が聞こえ、上半身だけで何気に振り返る。
 その人物を視界に捉えた瞬間、心臓が口から飛び出るかと思うくらい驚いた。

「どうした? ポカンとして」
「心臓……出ちゃった。いや、出てはいないんだけど……」
「……は?」
「ううん。なんでもない!!」

 盛大に意味不明発言をしてしまったことに気づき、恥ずかしくて頭をブンブンと横に振ると、目の前の人物があきれた顔をしながらクスリと笑う。

 程よく遊ぶようにふんわりと形作られた黒髪。
 スリムモデルのスーツが彼の細マッチョな体型を引き立たせていて、とてもよく似合っている。

 ああ、今日もカッコいい。
 本当にパーフェクトにカッコいいです!

 ぼうっと見惚れそうになるけれど。
 もしもバチっと目が合ってしまったら、その衝撃で心臓がつぶれかねない。
 そう思う、わざと視線を泳がせる私は完全に挙動不審だ。

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