マシンガン LOVE ~この想い、あなたに届け!~
「はぁ………」

 お昼休みの社食でついた私のため息は、ざわざわとした周りの声にあっという間にかき消されてしまった。

「なんなのよ。ため息、今ので5回目だけど?」

 とろりとした餡のかかった天津飯をレンゲで救いながら、目の前で同期の音羽(おとは)があきれ笑う。
 なぜ回数を数えているんだか。

「アンタのことだから、その理由、聞かなくてもだいたいわかるけど」
「わかるの?」
「どうせ水無瀬(みなせ)のことでしょ?」
「音羽、声が大きい!!」

 私はシーっと人差し指を口の前に立て、音羽の言葉を遮った。
 大事な固有名詞を普通の音量で口にするなんて、どうかしている。
 ここは社食とはいえ会社の中。誰が聞いてるかわからないのに。

「人物名は当たってるけどさ」

 つぶやくようにそう言い、音羽の予想が当たっていたことを素直に認めると、彼女はおかしそうにクスクスと笑った。


< 2 / 158 >

この作品をシェア

pagetop