その謎、解き明かして差し上げますわ。




……………………………
  
「ここで、足音と光ね……。」


風野さんが不気味そうに言う。


僕たちは今、依頼人の小宮さんと一緒に
家庭科室に来ている。


コンロや水道、大きな黒板、廊下側にはオーブンレンジがずらっと並んでいる。


何の変哲もない、家庭科室だ。 



「あ、ここから
 テニス部見えるんですね。」


知らなかった。
この時間に家庭科室だなんてこないからな。


「なぁに~?
 テニス部に好きな女の子でも
 いるの~?」  


風野さんが興味津々という顔で聞いてくる。


「ち、ちがいますよ~。
 幼なじみがテニス部なんで、
 それで…」


「え~。女?女?」


「そうですけど、
 別に好きとかじゃないんで…」


この人に絡まれるとめんどくさいな
なんて思いながら橋本は窓の外をみた。

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