その謎、解き明かして差し上げますわ。
視線を窓から黒板の方へ向けると
水本さんがコンロの下の戸棚を開けたり、
黒板の裏をのぞいたりと捜査をはじめていた。
「水本さん、何か見つかりましたか?」
僕が声をかけてみたが反応は、ない。
いつもこんな調子なのだ、
考え込むと周りが見えなくなる。
そこが彼女の短所であり、長所だ。
周りが見えなくなるからこそ、
考えが深められて見えてくるものもある。
しかし、
周りが見えなくなることにより、
『他人に頼る』
と言うことを忘れてしまうのだ。
まったく、器用なんだか、不器用なのか
わからない人だ。