クールな先輩を恋の矢で射止めます



覚えててもらえたみたいで良かった。



「弓道に興味持ってくれた?俺、部長の山崎健太(やまざきけんた)。



ていうかよくこんな時間まで耐えられたね。みんな帰っちゃったかと思ってたよ!」



「あっ、あたしは岡田花です。初めて弓道見たら目が離せなくなっちゃって……気付いたら一人でした」



きょろきょろと横を一応確認しながら言った。



今日の目的だった雪名先輩の弓を引く姿も見れて満足。



「さすが雪名が唯一渡しに行った人だけあるね!



実はさー、部活見学期間が終わるまでは内緒にしといて欲しいんだけど



雪名が練習する時間をわざと遅らせてるんだよ」



去年の入部者追っかけばっかり集まってきて失敗してたさーと苦笑いをしながら教えてくれる。



でも隣にいる雪名先輩はどこか遠くをじっと見たまま何も話してくれない。



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