クールな先輩を恋の矢で射止めます
お客さまの応対をして、売れたケーキの補充をして、テーブル席の片付けをして……。
一息吐く時間もないから毎日のバイトがすごく早く終わる気がする。
その分疲れも溜まっちゃうけどね。
よく二人で回して営業してきたなって本当に思う。
あたしがミスをしても、『大丈夫よ』と店長の奥さんがさらっと魔法のように対処してくれる。
我ながらとってもいいバイト先を選んだと思う。
家でもお父さんとお母さんからは
ただ一言、『自分が思うようにやってみなさい』と言ってもらえた。
あとはあたしがやりきるだけ。
「花ちゃん、ここ代わるから外に行ってお客さまにメニューを配ってもらっていい?
それで横に広がりすぎないようにしてもらえると助かるんだけど」