クールな先輩を恋の矢で射止めます
「え!新人の子なんでいるの?」
「あの、その……」
何て言ったらいいのか分からなくてうまく答えられないでいると
先輩たちは未だに眠っている雪名先輩の様子に気づいたみたいだった。
「って雪ちゃん、また寝てんじゃん!雪ちゃん!起きて!」
「雪ちゃん!山崎に怒られるって!」
肩をバシバシ容赦なく叩かれた雪名先輩は「……だからその呼び方やめろっていつも」と言いながら瞼を擦りようやく起きたみたいだった。
壁に掛けてある時計をみると彼はスッと立ち上がって弓道場の方へ歩いて行く。
それを横目にあたしを心配した3年生の先輩たちが「雪ちゃんについてくの大変だと思うけど、やっぱり一番上手いのはアイツだから頑張って!」と背中を押してくれたんだ。
「頑張ります!」
と返事すると、あたしも少し遅れて弓道場に再び足を踏み入れた……。