くるりんぱ=問題児!?


「亜衣からの伝言。
昼休みが終わるまで見張ってろ。
昼休み中、2年の教室に来なかったら歩影が欲しがった㊙︎勉強ノートあげる。

だとよ。

歩影、どうす…」

「見張らせていただきます!」


すぐさま、歩影は目を輝かせながら返事する。


「んんっ!?(おいっ!)
んんんんんんんっ!!!(約束が違うぞっ!)」


「ごめん、絇瑠。
㊙︎勉強ノートには勝てない。
許せ」


「んんんんん!!!!(ふざけんなー!)」


〜5時間目の休み時間〜

「あ…」

「イヤ、この場を去れ。
顔面にボールを投げつける」


「去らないし、顔面に当たりませ…」


ドスッ


バタンッ


綺麗にボールが絇瑠の顔にクリーンヒットし、絇瑠が倒れる。


〜放課後〜

「亜衣先輩!」


さすがの亜衣もうんざりとした顔を隠しきれていなかった。


「もう、しつこい」


嶺央も巫美もさすがにフォローもせず、苦笑いで見守る。

顔を真っ赤に腫れさせながらも必死に教室に来る絇瑠に同情してきてしまっていた。


「本当に知りたいんです。

俺は最初はからかい半分で知恵先輩のことかまってました。

でも、今は違います。


自分で知恵先輩の過去を少しだけ調べました。
でも、大事な情報が分からないままなんです。

知恵先輩は今、あの3年前の写真と同じような顔をしている。
苦しんでる。

俺も知りたいんです、生半可な気持ちでもう聞きません。


好きな人を傷つけてしまったからこそ、もう一度笑顔にしたいんです!

お願いします!!!」


今日、何度目かの土下座をする。


「亜衣…」

「もういいんじゃないかな〜」


2人もそっと頷く。


「…分かったわよ。
言えばいいんでしょ」


その瞬間、絇瑠がガバッとキラキラと目を輝かせながら顔を上げる。


「ありがとうございます!!」

< 167 / 168 >

この作品をシェア

pagetop