社内恋愛発令中【完】
夕陽を浴びた姿が綺麗で、



『綺麗だな』



つい漏らしてしまった言葉に、あいつは不思議そうな顔を向けて。



『…え?』



『夕陽』



取り繕った言葉に、なんの疑いも持たずに満面の笑みで頷いた。



本当にバカだと思ったと同時、自分のハマり具合に呆れたんだ。



きっとあのとき振られていたら、俺はしばらく立ち直れなかった。



女々しくなるほど、失くしたくないと願った。



『あたしは何も。蒼井さんの背中見てただけです』



会ったときよりずっと大人になった。



『双葉が背中を見ててくれなかったら、俺は前さえ見えなかったよ』
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