Last Letter~手紙がくれた想い~
「兄ちゃんの作るカレーはいつもおいしいね!」
ニコニコしながら春樹はカレーを頬張る。
ホントにお前はうまそうに飯を食ってくれるよな。
「男のクセに器用すぎんだよ、大樹は。
気持ち悪いな」
と、文句を言いながら弘斗もカレーを頬張る。
気持ち悪いなんて、失礼だな。
俺だって初めっから料理とか裁縫ができたワケじゃない。
いつも手探りで、やっとここまで来れたんだ。
「食べ終わったなら、キッチンの流しにおいとけよ」
先に食べ終わった春樹が皿を片づける。
智樹はまだ4/1くらい残ってて、俺もそれくらい残ってる。
「ごちそうさま」
それから5分後。
智樹も食べ終わった。
「春樹と一緒に風呂行けよ」
返事をしずに智樹は春樹のほうへ行く。
分かってんだか、分かってないんだか。
「ホント、智樹と大樹って似てるよな。」
皿を洗おうとしている俺の横に立つ弘斗。
「どこが?」
顔、全然似てないだろ?
「性格だよ、性格。
気持ち悪いくらい、似てるよ。」
そう言いながら弘斗は洗い終わった皿を拭いて行く。
智樹と俺の性格が似てるか…
確かにそうかもしれない。
智樹を見ていると自分の幼い頃を思い出す。
俺も同じことしてたな…って。
やっぱり同じ母さんから生まれた子なんだよな、俺たちは。