Last Letter~手紙がくれた想い~
【リリリリリリリリリリ】
いつもと同じ時間に目覚ましが鳴る。
そしていつものように手探りで目覚ましを止めた。
ぼーっとしたあと、カーテンを開けた。
ここまではいつも通り。
けど、ここからだ。
俺がいつもと違うことをしたのは。
病院の3階の真ん中の部屋に目がいく。
そこはカーテンが開いていた。
まだ5時半なのに。
俺の視線はなぜかそこで止まったまま。
「あ…………………」
不意に病室のキミと目が合った。
【ドキッ】
また不意に胸が高鳴った。
俺の心臓が反応したことなんて今までなかったのに。
どうしてこんなに離れているキミに俺の心臓は反応したのだろうか。
今考えると不思議で仕方ない。
3階の真ん中の部屋にいたのは推定15歳くらいの女の子。
ストレートの長い黒髪。
俺が分かったのはここまでだ。
俺と悠香が初めて出逢った(?)今日。
俺はこの日のことを絶対に忘れないと思う。