Last Letter~手紙がくれた想い~
「す、すいません!!
木村…木村春樹ってどこにいますか?!」
受付で叫ぶ俺。
おい、俺。
何取り乱してんだよ。
らしくねぇ…
もっと、自分をしっかり持たなくちゃ。
今、春樹は苦しい思いしてるのに、
兄貴の俺がこんなんじゃ、ダメだよな。
『えーっと、今日運ばれてきた患者さんですね?
408号室にいますよ。』
受付の人に礼を言った俺は階段を駆け上がる。
ダメだな、俺。
落ち着けって思ってるのに、まだ焦ってる。
「兄ちゃん!!」
病室に入ろうとしたとき、智樹の声が聞こえた。
「智樹!!」
廊下の奥の方から智樹が走ってやってくる。
「兄ちゃん…兄ちゃん…」
智樹はそう言いながら泣きそうな顔をしていた。
「大丈夫だ、智樹。
兄ちゃんが来てやったから、もう心配ない。
ごめんな、智樹」
俺は智樹の頭に手を置いて病室のドアを開けた。