Last Letter~手紙がくれた想い~
俺はひたすら、謝ることしかできなかった。
春樹にも、智樹にも、
申し訳なくて。
「兄ちゃん。
兄ちゃんのせいじゃないよ。
兄ちゃんが謝る必要はないよ。
俺だって、春樹がこんなになるまで気づいてあげられなかったんだ。
兄ちゃんだけが悪いんじゃない。
俺も、悪いんだ。」
膝の上で拳を握っている俺の手に智樹が手を重ねる。
「智樹……………」
俺は溢れそうになる涙をグッと堪える。
智樹。
お前はいつの間に、そんなに強くなったんだよ?
泣きそうな顔してるくせに絶対に、涙は零さなくて。
弟のクセに兄貴の俺に気なんて遣いやがって。
お前は、俺の想像以上に大人になってたんだな。
俺、何にも知らなかったんだな。
1番知ってると思ってたのに、
俺は何も、知らなかった。