Last Letter~手紙がくれた想い~
「あ、そうだ!!
俺、練習終わったあとにお前んち行く。
んで全部終わったあとに一緒にまた練習しようぜ!」
ギターを担いで弘斗が俺をおいかける。
「え…でも、そんなのお前に悪いって。」
「はぁ?何言ってんだよ。
俺とお前の間だろ??
久しぶりに2人に逢いたいしさ。」
弘斗に借りができちゃったな。
俺は、バンドを組んでいる。
けど家のことがあって練習に行けないことが多い。
でも俺がメンバーに遅れを取らないのは弘斗のおかげ。
いつも弘斗が練習に付き合ってくれる。
なんか弘斗に助けられてばっかりな気がするよ…。
「にしても、お前も苦労してるよな。
春樹と智樹の父親みたいじゃん。」
廊下で弘斗が呟く。
そうだな。
うちに親父はいないし、2人とは年齢も離れてるし…
ただ、もうこれが当たり前だから。
だからもう俺は何も思わない。