太陽と月の後継者
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「早くあの御方を連れてこい。
一刻も早く戦争を起こすのだ。」

赤毛がゆらゆらと揺れる。

女の冷たい瞳は何処か寂しげで、だがそれを認めないように男が言う。

「どうした?怖くなったのか。
あの御方さえ連れてこればお前の仲間はお前のものだ。なにを躊躇うことがあるか。」

心まで冷え切っている男の声。

その声に勝るほどの冷たい声がその声に応えた。

「はい、父様」











世界の壊れる音

彼女の心はもうすでに冷え切っていた。

すべての崩壊はもう目前。彼女の一言で何かに大きな亀裂が入った。





「必ず、あの御方をあなたへ...

仲間など私にはいない。」

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