太陽と月の後継者
________________________
____________
_

「ねぇ、クレアって何者なの?」

店を出た瞬間、超直球ストレートボールをかますリオ。

「俺、あんまり裏でこそこそ調べるの好きじゃないんだ。出来れば、クレアの口から聞きたい。」

真剣な表情で見つめられ、どうすればいいかわからなかった。

「ちょ、リオ…それは、クレアの心の準備が出来るまで待とうぜ。」

しばらくの沈黙が流れる。沈黙を一番に破ったのはクロエだった。

『…わからないの』

「…え?」

『自分が何者なのかわからない。だから上級魔法使いになって真実を知りたい。それまでは、教えたくても教えられないの。

いつか自分のことが分かったら教えるわ…もっと仲良くなりたいから。だから待ってて欲しいの。』

そのことを聞いて、リオとヨウテスは驚きを隠せないままでいる。

そんなふたりを見て、クロエは寂しげに笑った。

『帰ろっか』

< 36 / 220 >

この作品をシェア

pagetop