太陽と月の後継者
クロエはヨウテス達が部屋を出た後、食器の片付けをしてシャワーを浴びていた。
ーキュッ
蛇口を捻り、水を止めるとそっと湯船の中へ入り一息つく。
『フェリーチェ…ピンク』
“フェリーチェは属性を示すものだとすれば
ピンクの属性は《時》?”
『私にはそもそも時の魔法は使えないのか…』
否
そうではない
クロエの奥底に秘められている力を使えばなんともないはずだ。
『時の魔法を使える者はルカだけ…』
(じゃあ、時の魔法について調べればなにか出てくる?)
そう思いたったクロエは、急いで浴室を出てあらゆる本と本を寄せ集め、読み始めた。
唯一の希望
それにかけるしかなかった。