太陽と月の後継者
クロエの部屋を出て、
リオとヨウテスは、
リオの部屋に来ていた。
「ねぇ、ヨウテス」
「なんだ?」
「あの鏡。見た?」
“あの鏡”
とは、クロエが初めて自分の姿を見て、怯え割ってしまった鏡のことである。
「あぁ…、割られて直された
跡があった。」
「あと、微かだけどクレアの血の香りがしたんだ。」
「血の香りって…」
リオは大狼のため、鼻が利く。
一度嗅いだ匂いは二度と忘れない。
「この前、
魔法書が配られた時にクレア、
手を紙で切ったんだ。
その時にクレアの血の匂いを覚えた。
でも、不思議なことに
傷を確かめようとしてクレアの
手を見ると
傷がなかった…。
ありえると思う?
吸血鬼でも
そんなに早く傷は治らない。
癒し魔法でも、
もっと時間がかかるのに…。」
「傷がきえる…。
普通ならありえない。」
「鏡で何処かを切ったとしても、
俺なら翌日、匂いで気づく。」
ふたりは顔を見合わせた。
「クレアには悪いけど、
少し調べることにしよう。
きっと、
クレアの知りたいこともわかる。」
「…あぁ。」
他言無用
そう言い合うと、
ふたりはよっぽど疲れたのか、
リオの部屋で倒れるように眠った。