太陽と月の後継者

あれから早5ヶ月

クロエは魔法を上手く使いこなし、
かなりのレベルにまで上達した。

それは彼女自身の才能であり、
指導者であるイズミの実力でもある。

イズミはある呪いをかけられていて昼は人、
夜は猫という生活を送っていた。

意外にも87歳と高齢でありながら、ある学園の理事長をしている。

その学園に、クロエも明日入学するという。

『イズミ、今までありがとう!』

「いいえ、私はクロエ様に魔法しか教えることができませんでした。二つのお願いを聞いていただきたい。」

『何でも聞くわ。でもね、イズミは魔法に以外にも料理や人と一緒にいる楽しさを教えてくれた。本当にありがとうございました。』

「クロエ様……もったいないお言葉でございます。」

イズミはクロエに紅色の宝石のついた首飾りと装飾を施した眼帯を渡した。

「これは魔力を抑制する石です。
力が出過ぎて目立たないよう、
常日頃に付けていてください。」

不思議そうに首飾りを着けると、紅の瞳と碧の瞳はより一層妖艶さが増した。

自分では気づいていないようだが、クロエは常に多大なるオーラを纏っていた。

『眼帯は…?』

まじまじと眼帯を見ると、太陽と月が描かれている。

そのマークの様なものを彼女は何処か懐かしく感じていた。

「クロエ様の瞳はとても美しいです。
この世界では、見たことがない。
その金ではない、白金の髪もです。

特にその2色の瞳は…。ですから、目をつけられぬように隠して欲しいのです。」

『わかった』

聞きたいことは沢山あるが、
イズミが答えてくれるとは思えない。

彼女は彼女なりにイズミを理解していた。

「どうしても、どうしても自分の力を解放しなければならない時がくれば、その時はその宝石を引きちぎってください。」

『…』

クロエは頷いて明日に備え自室へこもった。
< 8 / 220 >

この作品をシェア

pagetop