悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
「どうして?」

あたしが尋ねるとアキはさらに険しい顔をした。

「あいつがもとの姿に戻れるようになったから」

「ふーん?」

答えを聞いても、いまいちよく分からなかった。

「まあ、問題ないんじゃない?」

「問題だよ!」

何言ってるの、とアキは怒った。

「あいつが姿を現したり消したりできるってことは、それだけあいつの力が強くなってるってこと。ってことは、それだけあいつを封印するのが難しくなるってことだよ!問題大ありだよ!」

「そ、そうなんだ」

アキの迫力に負けて謝ると「まあ、佐奈が謝ることでもないけど」とため息を吐いた。


「どんな手を使っても、佐奈のことは助ける。契約も、絶対に解消してみせるから」


力強いアキの言葉。

いつもは何事にも無関心なアキの、熱意のある言葉。

アキはいつも要領よくなんだってこなしてしまう人だ。

要領の悪いあたしはいつだってそんなアキに嫉妬してたし、アキのことを嫌なヤツだと思ってたし、それと同じくらいにアキはすごいヤツだと思ってた。

だからアキがそう言ってくれるのは、すごく心強い。

だけど、同じくらい、いや、それ以上に。


「…うん」


心配でしかたがない。

きっとアキは無茶をする。この前体を壊したけど、それでも懲りずに。

きっとあたしとリドの契約を壊すまで、アキは無茶をし続ける。

自分がどれだけ傷つこうと、そんなことは気にも留めないで。

アキは、自分のことを考えないから。

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