悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
「美晴…もしかして怒ってる?」

「佐奈が全然調べもの進まないからわざわざ日曜日に集まったのに、その佐奈が突然飛び出していくんだもの」

怒っても当然よね、と美晴は溜め息を吐いた。


「それは…ごめん」


何も言い訳できず、ただ謝った。

美晴と田辺くんの制止も振り切ってとびだしたのはあたしだ。

アキを探してあちこちを走り回って、だけど結局出会えなくて。

あたし、何していたんだろう。


「どうせ、晃なんでしょう?」


ハッと顔をあげると、美晴は優しく微笑んでいた。


「佐奈があんなに行動起こすの、晃くらいだもの」


微笑んだ、というよりは呆れているようだった。ちょっとショック。


「どうして、分かるの?」

「伊達に何年も佐奈の親友やってないわよ」


佐奈ってそういう性格よね、と付け加えた。

言葉の節々から美晴の親友愛を感じて、嬉しくてたまらず抱きつこうとしたらベリリと剥がされた。そういう冷たい態度をするところも美晴らしいけど。

「そんなことより」と美晴は大きな声で話を切り出した。


「晃に何かあった?」

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