パシリ少女の運命
「やばい!!間に合わんー!!」
今日も全速力でダッシュ中なのだ。
「ただいま!!」
3時59分。
ギリギリセーフ!!
最高新記録!!
毎日走らされているせいか、マラソン大会はいつも一番。
まぁ全っ然嬉しないんやけど…。
録画と……。
「キャーーーッ!!」
!!?
まただ………。
「お母さん?」
「凪ちゃん!!これ…焦げちゃったぁ…」
瞳をウルウルさせてこっちを見る、あたしの母親。
「もうお母さんはやらんで良い言うとるやん!あたしがやるから!!」
「ごめんねぇ凪ちゃん…」
あたしの母親は関東からきた人。
めちゃくちゃ美人で有名なのだ。
ただ、家事が全く出来ない主婦。
「お兄ちゃん今日遅くなるって」
「そうなの~?佑ちゃん遅くなるんだ…。せっかくカレー作って待ってようと思ってたのにぃ」
カレー……。
この鍋にこびりついた焦げがカレー……。
あ、ちなみに佑ちゃんっていうのはお兄ちゃんの名前。
佑(ゆう)っていうんです……。