幻が視る固定未来
そろそろ限界が近い。もうそろそろ助歌からストップの合図が出る。
そう考えながら解き放ち、舞い上がる神素が最後。とうとう助歌の終了を遂げる足音が聞こえる。
ゆっくりと一歩、また一歩と近づく足音。もう一回くらいは……出来ないか。
けど、なんだこの感覚。何か違うような気がする。この足音は“本当に助歌のもの”なのだろうか。
そう思いオレは振り返った。


…………う……


……がう……


…………ちがう……!


そんな訳がない。

どうして目の前に“有希乃”がいる?

「灼蜘」

やめろ。
そんな有希乃らしい声を出すな。ありえない、これは夢だ。いやきっとオレ自身が幻視の扉に入ったんだ。だからこんな幻覚が視るんだ。

なら声は?

幻聴の他何がある。
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