幻が視る固定未来
「はぁ」

溜息をつき更に考える。現状の把握はもう十分だだろう。
このまま立ち止まっててもしょうがない。要はこれから先に何をするか。そのための現状把握だ。

やることは決まっている。変わるわけがない。
やりたいことはまだ達成していないから。

また数分すればオレは訓練所に向かっているだろう。今考えることはどうやって具現化する幻を完成させるか……だ。

今までのやり方は間違っていたのか、出来ていない以上そうだろう。ならまた父さんの書物を読み漁るか? いやそんなの意味がない。もう読破しているから。

やはりやるしかない。どんなことでも試してみるしかない。それを繰り返すだけでも意味はある。

オレはそう思って立ち上がった瞬間、勝手に部屋の扉が開いた。

「なんで?」

唖然とオレは立ちつくした。そこに現れた人物を凝視したまま。
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