幻が視る固定未来
「なぁ有希乃、本当は昨日、どう思った? オレが助歌に賛成した時」

放課後になって光になりそうなほどダッシュで家に帰り、部屋に入ると即効で有希乃に質問した。

「とりあえず落ち着いたら?」

有希乃は冷静に紅茶を差し出してくれた。

「サンキュー……て、熱っ」

乾いた喉を潤そうと一気に飲んだら思いのほか熱かった。火傷したかも。
そんなオレの珍行動を無言で見つめている有希乃だが、動きが止まっている所から驚いているのだろうか。
本当に分かりにくい反応だ。

「どうしていきなりそんな質問を?」
「あ、いや本当は有希乃、言いたいこととか不満があったんじゃないかと思って」
「ある、言いたいことはいっぱいある」

やっぱりか。不満がない訳ない。それが普通なんだから。
こんなにもはっきり言ってくれるなら、きっとその不満も言ってくれるだろう。

「だったらその不満を聞かせてくれ。あの時ちゃんと聞かなかったオレが悪いからな」
「? 言っている意味は分からない。けど言いたいこと、それは剣道での癖、必ず狙う箇所を見つめている」
「…………は?」

えと、何を言ってる? ふ、不満だよな。なんでオレの剣道での癖が出てくる。おかしいだろ。
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