幻が視る固定未来
「そっかぁ大変だね。でもそれは灼蜘君のことを思って言ってくれたことなんだよね? なんでそれを反対したの」
「いや、それは無理なことなんだ。いくらその召使いが言おうとも、それは覆すことが出来ないことだから」
「それはその召使いの人も分かってることなの?」
「あぁ分かってる」

 あれ? オレ、意外と本気に相談してる。ただの話のつもりだったのに。

「それほどその召使いの人が灼蜘君に尽くしてくれるから罪悪感を感じてるんだね。でもそこまで尽くしてくれる人が大丈夫って言ったなら大丈夫だよ」
「そ、そうか?」
「うん、大丈夫だと思うよ。もっと灼蜘君自体がその召使いの人に素直になればいいんだよ」

素直になるか……いや素直なんだろうけど、いやどうだろう? よく分からない。
けど芳原に相談したのはよかったみたいだ。少しはスッキリした感じはある。もちろんそれでも有希乃の気持ちが分かった訳ではないのだが。どっちにしても相手の気持ちなんて分らない。だからもっと有希乃の言葉を信用しよう。

そうだ、だからちゃんと聞こう。昨日本当はどう思ったのか。本当は何を言いたかったのか。出来るだけ無理矢理じゃなくて自然的に。
そうと決まれば学校が終わるのが待ち遠しい。けどその前に芳原に礼を言わないとな。

「サンキュー芳原、なんかスッキリした」
「え……う、ううん、いいんだよ」

オレはそのままのテンションで嬉しく笑顔で芳原に礼を言った。何故か芳原が驚きながら赤面しているのが分からないが、今のテンションではそれ以上考えることは出来ない。
そうして昼休みは終わり、そして放課後へとなった。
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