らしくないけど

画面に写るのは【高野 郁】の文字。


「加地くん」

「え?」

画面を押してしまおうとしたとき、後ろからかかった声に振り返った。


「……2人して何してんの」

「加地くんずっと考え事してるんだもん。ね、蓮くん?」

「気になることがあるんじゃないかって思って」

ウェディングドレスを着た咲良と、真っ白なタキシードを着た蓮くん。

もう誘導されたと思っていた2人が満面の笑みで立っていて、そのときやっと注目されていることに気が付いた。


「…会いたいやつがいる」

「うんうん、そうだよねぇ」

「そんなこともあろうかと、呼んでおきました」

「…は?」

呼んでおきました?何を?誰を?

咲良と蓮くんの嬉しそうな顔と、離れたところに見える白城の得意げな顔に、余計に頭が混乱する。

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