らしくないけど

ここに来た時、式場からそう離れてない場所にあった、教会と呼ぶには少し小さな建物があったのを思い出した。

咲良が言っていたのは多分その建物のことだろう。

…随分ロマンチックなこの場所で俺は今から高野に告白すんのか。

……もう心の底から恥ずかしいんだけど。

用意してもらったこの状況。教会で、待ってるのは好きな女で。もう俺が気持ちを伝えるだけで。

こんなに緊張するのは久しぶりだ。


重たい扉を開ければ、綺麗なステンドグラスからの光が反射して……、その奥にずっと会いたかったやつの姿が見えて。


「…やっと会えた」

柄にもなく、そんな言葉が口から自然とこぼれた。

会いたかった。

そこにいた高野は、この教会には不釣り合いなほど普通の私服で。そのアンバランスさに何だか笑えた。


「…会えた、の後に何で笑うの?」

「いや、アンバランスさが」



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