恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
明るく言う高梨さんはオネエのように低い声で、濃い化粧をしている。
カメラ慣れしているのか、緊張している様子はない。
「下地はこれを使いま~す」
高梨さんはカメラマンに見やすく商品を見せてから、私の顔に塗るという行為を繰り返す。
コントロールカラーを塗り、コンシーラーを乗せ、ノーズシャドウを入れ、ベースだけでもけっこうな時間を要した。
私の前に鏡はなく、自分がどんな顔になっているのか、確かめようがない。
「ほら! 顔がこんなに小さく、そして明るくなりました~!」
ぴかっと照明が顔の前で輝く。
眩しそうな顔をしないよう、必死で目を見開き、口角を上げようと努めた。
「次はポイントメイクに移ります。ここで今日の主役、新製品のシンデレラマジックの出番で~す」
高梨さんが言うと、カメラさんが机の上に並べられた新製品を映す。
“シンデレラマジック”なんてブランドだっけ。ちょっとダサイ気もするけど、わかりやすくていいか……。