恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~

「よろしくお願いします。さあ、肩の力を抜いて~」


メイクルームに通されると、二人の部長は姿を消してしまった。

そりゃあ、着替えもしなきゃいけないしね。だけど、緊張するなあ。

『メイクアップアーティスト 高梨葵』というスタイリッシュな名刺をくれたメイクさんは、背の高い女の人だった。

先日できあがったばかりの『営業部 白鳥姫香』という普通の名刺を差し出すと、なぜかいきなり笑われた。


「真面目! 本当に営業部なんだ。名前がキラキラで可愛い~」


ひとっつも褒めてない……。まあ、褒められるところないものね。

大人しくイスに座り、まさにまな板の上の鯉状態に。

机の上には、うちの会社の商品がずらり。


「任せてね。絶対綺麗にしてみせるから!」



ほんと、お願いしますよ。

メイクの様子は、全部カメラマンによって撮影される。

あとあと、メイクの仕方を消費者に教えるために㏋で使われるそう。


「はい、今回のモデルはばりばり素人、ちょっとおブス、あらごめんなさ~い。ちょっと地味めな姫ちゃんです」

「よ、よろしくお願いします……」


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