恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「夏らしく! 可愛く! この地味~なお顔を、キラキラのモテ顔にしちゃいま~す!」
オーバーに声をはりながら、高梨さんが真剣に私の顔に筆を走らせる。
まさにアーティスト。私の顔はさながら、白くてのっぺりしたキャンバスね。
「目じりのアイラインは、ここまでの長さ。すっと引きます。マスカラはしっかりまつ毛を上げて、たっぷり塗りましょう」
ふむふむ、なるほど。と、途中から高梨さんのプロの技に感心しながら話を聞いていた。
「出来上がりでーす!」
ピンクベージュのリップを塗り、メイクが完成した。
「どう?」
手鏡を渡され、それを覗き込んだ。刹那、息が止まりそうになる。
「す、すごい……! 誰ですかこれ!」
何がどうなればこうなるのか。
まるで女優のような顔に、私は変身していた。
ふんわりした優し気でナチュラルな眉、自分でどう頑張ってもできなかった大きな目、くっきりした目鼻立ち、ふっくらとしたジューシーな唇……!