恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「今日は副社長も見学に来るそうだから。頑張ってね」
「へ?」
販促部長、笑顔でとんでもないことを言ってのけたような。副社長が見学に来るですって?
くらりとめまいが起きそうになる。
「それ、いつ決まったんですか」
日下部長が質問する。その眉間には深いシワが。
「え、昨日だけど。知らなかった?」
何の悪意も感じられない販促部長の顔。しかし、日下部長は顔をしかめたままだった。
「あの、どうかしましたか……」
聞いてみようと思った瞬間、スタジオ中がざわついた。
何事かと思って周りを見ると、スタッフたちの視線がドアの方に集中している。
つられてそちらを見ると、そこにはスーツの男性が。
長身で、遠くから見ても表情がわかるくらい、くっきりした顔立ち。
もしや、俳優さんかしら? 王子様にしては、ビジネススーツだけど……。
「お、おはようございます~っ!」
販促部長が巨体を揺らしながら、そちらに駆け寄っていく。
もしや、あれが噂の副社長?
まさか。それにしては若すぎる。三十代になったばかりにしか見えない。