恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「し、失礼します……」
用意されたブルーのドレスに着替えて撮影が行われるスタジオのドアをゆっくりと開けると、中ではまだ準備が行われていた。
人工的に風を起こす大きな扇風機や、あとで背景をCGで処理するためのブルースクリーンが設置されている。
その前には、ちょっとゴシックなデザインのかぼちゃの馬車が。
私があれに乗るシンデレラってわけ?
ひとり立ち尽くしてぼんやりしていると、隅っこに販促部長と話している日下部長を見つけた。
「部長~」
知らない人がたくさんいるところ、苦手。
助けを求めるように歩み寄ると、二人は私に気づいたのか、ほぼ同時に振り向いた。
「もしや、白鳥さん?」
顔じゅうに汗をかいている販促部長が、目を丸くする。
その横で、日下部長は何度かまばたきをしていた。
「すごいよ、白鳥さん! 変身大成功だね!」
販促部長が汗ばんだ手で私の手を握り、ぶんぶんと振る。
「あ、はは……」
「日下君の見る目に間違いはなかったってことだ」
それならいいんだけど……。