恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


「お、彼女がモデルの社員か」


副社長がこちらを向く。

私は慌てて深く頭を下げ直した。


「おはようございます! 営業部の白鳥です!」

「どうも、副社長の日下です。一成の兄です」


は……っ。

がばっと顔を上げ、副社長を見上げる。

たしかに、似てる。

メガネをかけていないし、髪の分け目が違うからわからなかったけど、よく見ればちょっとたれた二重の目や、鼻の作りが似てる。


「口を閉じて。はい、可愛い」


ぽかーんと開け口を注意され、慌てて閉じる。すると、副社長はにこりと笑った。


「やっぱり、俺と一成は女性の趣味が似ているな。とても可愛い人だ。うちの社のどこに埋もれていたのかな」


副社長の指が、私のあごをクイと持ち上げる。

ビックリして目を見開くと、日下部長が動いた。


「兄さん、戯れはそのあたりに。婚約者に言いつけますよ」


そっと私の顔から副社長の手を離れさせる日下部長。

二人の手は一瞬触れ、すぐに離れた。


「ちょっとよく見てみようと思っただけだ。本番を楽しみにしているよ」


眉を吊り上げる日下部長とは対照的に、不敵に笑った副社長は、スタッフの人に案内されて見学席へ歩いていった。


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