恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


「そう思いこんでいる間は、お前は変われない」


うつむいていると、上から日下部長の低い声が降ってきた。


「変わりたいのなら、幸せになりたいのなら、本気で願え」


肩をつかまれ、あごをとらえられる。

無理やりに上げられた視線の先には、いつの間にかメガネをとった日下部長が。


「本気で願うなら、俺がその願いを叶えてやる」

「日下部長……」

「こんなに綺麗に変身したのに、何を言っているんだバカ。俺が選んだ素材が、他のやつに負けるわけないだろう」


長いまつ毛の下の瞳が、まっすぐに私を見つめる。


「自信を持って笑え。俺は、お前の笑顔が好きだ」

「え……」

「説明会の前、一瞬だけ笑っただろ」


そう、だっけ?

日下部長といるとき、私はいつも緊張していて、それまでの使えない上司に対しての不満ばかりで、笑ってなんかいなかった。

でも、部長が『専務が嫌い』とこぼしたあのとき、私は思わず同意して……。


「お前の笑顔は、人を安心させる」


< 118 / 286 >

この作品をシェア

pagetop