恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
撮影から二週間と少し。
営業事務の仕事にもだんだんと慣れてきて、パソコンでの受発注はだいぶ早くなったと思う。
まだ電話が鳴るとドキドキしてしまうけど、魔法の呪文のような商品名や原料名も、少しずつ聞きとれるように。
ちなみに見た目は、今まで通り地味な服に地味なメイク。一成がそのようにしておけと言うので、そうしている。
「白鳥さん、事務向いてるね。慌てなければもう一人で大丈夫じゃない?」
桑名さんに笑いかけられ、思い切り首を横に振る。
「外国語話せませんから」
「駅前留学すりゃいいじゃん」
そりゃあ、話せた方がいいに決まってるけど、知らない外国人さんと個室でレッスンとか……おえ。もう緊張で吐きそう。
学生の頃の私は、どうして営業をやってみたいだなんて思ったんだろう。我ながら無謀すぎる。あの頃は若かったんだなあ。
「無駄なおしゃべりはするな」
一成が眉も目も一切動かさず、それだけ言い放つ。