恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


桑名さんと私は口を閉じた。その瞬間、デスクの上の電話が鳴る。

この短い呼び出し音は内線だ。ホッとして受話器を取る。


「はい、営業部事務白鳥です」

『あっ、白鳥さん? 販促部の細川です~』


販促部の細川? ああ、撮影の時の、お腹の神様! 販促部の部長さんだ。太いけど細川。


「その際はお世話になりました」


あなたの立派なお腹がなかったら、私は笑えませんでした……。


『こちらこそ。CMの評判、上々だよ! 商品の売上も右肩上がりだって』


そう、数日前から例のCMが放送開始された。

開始当日は一成の部屋で、ドキドキしながらテレビ画面に向かった。

すっぴんの自分の顔に、CGでメイクがなされていく様子は、本当の魔法みたいでうっかりときめいてしまった。

顔自体はCGを使っていないけどね。


『部長の言った通りスキンケアを丁寧にしておいて、本当に良かったです』

『まあな。で、部長はやめろと言っただろ』

『あ……ごめんなさい。い、い、い、一成……』


恥ずかしくて顔を背けた瞬間、自分のスマホが鳴った。


< 132 / 286 >

この作品をシェア

pagetop