恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
営業部を出た途端、ふっと肩の荷が下りたように、プレッシャーから解放される。おつかいもたまにはいいもんだ。
販促部は一階下のフロアにあるので、いつも込み合うエレベーターを避け、非常階段を降りることにした。すると。
「げっ」
「“げっ”て何よ」
階下から、妖怪ろくろ首……じゃないや。松浦知美が現れた!
「どこ行くの?」
「は、販促部に……」
「ふうん」
長い髪を後ろでまとめ、ゆったりしたシャツから首筋が見える知美は、女性から見てもセクシー。って、見てる場合じゃない。
「そう言えば、佐伯くんの貢物の返事ってした?」
「は? なんだっけそれ」
知美にとって佐伯くんの貢物はとっくの昔に忘却の彼方らしい。
「ああ、思い出した。ごめん、仕事忙しくて忘れてた」
「えっ」
「なによ」
「いや、なんでも……」
そうか。知美だって同じ人間。
わざと放置していたわけじゃなくて、仕事が忙しかったんだ。