恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


知美に褒められたことなんてなかったので、どうリアクションしていいのかわからない。

心の底では嬉しいと思っているのに、上手く声に出せなかった。


「それはさておき、行くでしょ?」


返事をしないで固まる私をよそに、知美は飲み会の話に戻る。


「ううん、行かない」


ふるふると首を横に振ると、知美は大きな目を見開いた。

そして私の肩をがっとつかみ、ふんふんと首筋のにおいを嗅ぎだす。


「な、なによ」

「姫香、あんた男ができたのねっ?」


顔を離し、真剣な目で見つめてくる知美。


「な、な、なにを根拠にそんなことを」

「だって、今まで赤ちゃんみたいなにおいがしてたのに、今は女のにおいがする! よーく見たら、前より綺麗になってる!」


何それ。私、乳臭かったってこと? 子どもっぽかったって言いたいの?


「とうとうどっかの男の手にかかったのね……」

「や、やめてよ」

「で、相手はどこの誰? まさか社内の人間じゃないわよね?」


知美の探るような視線に、背筋に悪寒が走った。

言えない。絶対、言えない。


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