恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


無事に販促物をもらって、また人目につかないように非常階段を使って帰ってきた。

すりガラスルームのファイルを保管している棚を開け、空いているスペースにごそごそとそれらを押し込む。

それ以降はいつも通り仕事に集中し、定時を迎えた。


「お疲れ様でしたー」


桑名さんがいつものように、先に帰っていく。


「じゃあ、私も……」

「ああ。お疲れ」


どうやら今日は少し仕事が残っているらしく、一成はパソコンに向かったまま挨拶だけした。

バッグを持ち、デスクを離れようとした瞬間。


「これ、記念に持って帰ったら?」


いつの間に立ち上がったのか、しまいこんでおいた販促物を取り出して一成が言う。

両手を広げたくらいの長さのパネル、どうやって持っていけっていうのよ。


「いえ、恥ずかしいので遠慮します」


たしかにいい記念にはなるだろうけど、パネルは邪魔。


「パンフレットだけ、もらっていこうかな」


これならバッグに入るし……とパネルと一緒に入れられていたパンフレットを取りだそうと、ビニールを破っていると。


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