恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


「お父さん、自分が全く敵わない相手だからって、そういうこと言わないの」


少し不安になりつつあった私の横で、お母さんがどんとテーブルに拳を叩き付ける。

ビックリして、持っていた靴を落としそうになってしまった。


「きっと素敵な人なのよ。最近の姫香の顔を見てそう思わないの? ちょっと前までの、無気力なブス顔じゃないのよっ」


無気力なブス顔……。

母よ、あなたも似たような顔だぞ。


「姫香がこんなにキラキラしてるのは、素敵な人と恋をしているからよっ。その人に見つめられているからなのっ」


だんだんエキサイトしてくる母に、父は新聞を盾にして反論する。


「お、俺はただ、姫香を心配してだなあ……」

「娘の心配ばかりしていないで、自分を顧みなさいよ! 家に帰ってきても新聞とテレビばっかりで、嫁のことなんて見向きもしないで!」


母の怒声に、悲痛な響きが混じる。


「あんたは昔からそうよ。帰ってきても、テレビと新聞ばっかり見て。私がどんな気持ちで仕事と家事と子育てをやってきたと思ってるの?」

「や、やめなさい子供の前で……」


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