恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
幼なじみ……。
親同士が仲が良いってことは、理沙さんもセレブなお姉さんだったのかな。
「けど、婚約は……」
「そう。白紙に戻した。正しくは、俺がフラれた」
「どうして?」
もしかして、浮気がバレたとか?
顔がよくてお金持ち、おまけにちょっと軽い感じの副社長なら、やりかねない。
じとっとにらむと、そんな視線に気づいたのか、副社長が苦笑した。
「俺が本気で彼女を好きじゃないからだって言われたよ」
「やっぱり、浮気……」
「違う違う。そうじゃない」
本当か? 嘘なら見抜いてやろうと、さらににらみつけると、副社長は進行方向を見たまま平気な顔で話を続けた。
「俺は一成が産まれてから、全てをあいつと取りあってきた。まず母親だろ、おもちゃにおやつ。学校の成績でも習い事の成果でも、何でも競い合って……それが普通だった」
二つ違いの兄弟が競いながらケンカをする姿は、容易に想像できた。
でもそのことと理沙さんとの婚約破棄と、どういう関連が?
「だから、一番近くにいた理沙も、一成ととりあう形になってしまった」
どくんと、心臓が大きく跳ねた。