恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「父がきみを小夜子と読んだのは、きみが母に似ているからだよ」
「えっ?」
「細かなパーツは似ていないけど、全体の雰囲気がね。少し似てる。撮影の時に初めてきみを見た時、俺もそう思った」
嘘でしょ。この地味な私が、セレブ妻だった奥様に似ているだなんて。
と言っても、私は奥様の顔を見たことがないから、似ていないとも言い切れないけど。
いや、本当に似ているところがあったからこそ、社長は私を奥様だと思ったのかもしれない。
「そして、理沙のことだけど」
社長に握られた手をじっと見ていると、副社長が話題を変える。
「さっきの会話の流れ聞いてたらだいたいわかると思うけど、理沙は最近まで俺の婚約者だった女性」
そういえば、CM撮影のときに私にからんだ副社長に、一成が『婚約者にいいつける』とか言っていたような。
「元は俺たちの幼なじみだったんだ。歳は俺のひとつ下、一成のひとつ上。親同士も仲が良かった。母の葬儀のときもよく手伝ってくれたし、親父も気に入っていて、入院してからよく見舞いに来てくれて喜んでいたんだが」