恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「じゃあね姫香。部長、外回り行ってきます」
ドキドキと胸を高鳴らせる私に知美はいたずらっぽく微笑むと、長い髪を揺らしながらその場から去っていった。
何よあいつ……! めっちゃいい女じゃん! 悪魔とか散々心の中で悪口言ってごめん。
ベッドに座ったままの私に、一成が近づく。
「階段から落ちたと聞いたんだが」
「え、ええ……でも、なんとか無事です」
へらっと笑うと、横から先生がぼそっとこぼす。
「一応、病院で脳波の検査もしてもらった方がいいと思いますよ。自分で転んだんじゃないんだから」
よ、余計なことを!
「自分で転んだんじゃない?」
メガネの奥の目がきらりと光る。私の気持ちを見透かそうとするように。
「ええと……」
この人に嘘を言ったって無駄だろう。
知美と話していたことを説明していると、先生はまたついたての奥に入っていってしまった。
「社内でお前に恨みを持つ人間か……」
「単に嫌っているだけかもしれませんけど」
「わかった。俺も独自に調べてみる。とにかく、後で病院に行け。車を用意する。兄貴に話を通しておくから」