恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
うなずくと、そこで会話が途切れた。
何か話さなきゃと思うと、一成の大きな手がこちらに伸びてきた。
メガネの奥の目が、じっと私を見つめている。
「他には、何もされてないか?」
そっと頬に触れられて、どきりとする。
「何も……」
副社長にわけのわからん求愛をされたことは黙っておこう。私が黙っておかなきゃ、また二人の間に波風が立ってしまう。
「じゃあ、どうして目を逸らす」
ちゃんと一成の顔を見ていたはずなのに、無意識に視線を逸らしてしまったみたい。
ぎくりとすると、余計に彼の目を見られなくなってしまった。
「……腹が立つな」
低い声が鼓膜を震わせる。
「お前を近くで守ってやれない自分に、腹が立つ」
至近距離でそう言うと、一成はこつんと私の額に自らの額を押し付けた。
「こんな目にあわせて、すまない。俺がお前をCMに起用したりしなければ」
後悔のにじむ声に、胸が震える。