恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


「お金はありますから、大丈夫です。ちゃんとタクシーで帰ります。それより、どうしてもう来ちゃダメなんですか?」


お金を受け取らないように少し距離をとって聞くと、社長は少し考えて、ぼそりと言った。


「治療に専念したいからだ」


いやいやいや、絶対嘘だしだってさっき、私が来なくて寂しかったとか言ったじゃない。

絶対に何か隠してる。

じっと見つめるけど、社長は何も話そうとしない。


「そうですか……わかりました。また来ても良くなったら、日下部長を通して連絡をくださいね」


本当に一瞬しか会えなかった。

私は頭を下げ、病室の引き戸を開ける。

それが閉まる瞬間、社長の”気をつけて”という優しい声が聞こえたような気がした。



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